ScanSnap iX500 を VirtualBox 内の Windows 8 から使う

ScanSnap iX500 と Windows 8 を買った。 サーバ的に使っている Linux マシンの VirtualBox 内に Windows 8 をインストールして、そこから iX500 を使っている。

Linux から全く使えないわけではなくて、sane を使うとスキャンはできる。 現時点で最新のリリース版である 1.0.23 は iX500 の発売より前のリリースなので、当然対応しておらず、HEAD をビルドする必要がある。

ただし、本当に画像としてスキャンができるだけで、サイズを自動的に調節したりカラーと白黒の判別を自動的にしたり OCR をかけて pdf にしたりといったことができないため、俺は勧めない。

なので素直に Windows 8 から使うようにした。ただし VirtualBox 内の。 準備として、まず Oracle Extension Pack をインストールする。これはリモートから VirtualBox のゲストマシンに VRDP で接続するのに必要なため。 また、ホストマシンに差した USB をゲストマシンから使う際にユーザが vboxusers グループに属している必要があるので、これも行っておく。

% yaourt -S virtualbox virtualbox-ext-oracle
# gpasswd -a eagletmt vboxusers

次に仮想マシンを用意する。VirtualBox では VBoxManage でコマンドラインから操作できる。

% VBoxManage createvm --name Win8 --ostype Windows8_64 --register
% VBoxManage modifyvm Win8 --memory 2048 --boot1 dvd --nic1 nat --acpi on --vrde on --usb on --usbehci on --cpus 2 --vram 64
% VBoxManage createhd --filename Win8.vdi --size 40960
% VBoxManage storagectl Win8 --name Win8sata1 --add sata --bootable on
% VBoxManage storageattach Win8 --storagectl Win8sata1 --port 1 --type hdd --medium ~/VirtualBox\ VMs/Win8/Win8.vdi
% VBoxManage storageattach Win8 --storagectl Win8sata1 --port 2 --type dvddrive --medium /tmp/win8.iso

ここでやっていることは、

  • Win8 という名前の仮想マシンを作成する
  • Win8 という仮想マシンの設定を行う
    • メモリは 2GB
    • ブートの順序の最初は dvd
    • ネットワークアダプタの割り当ては NAT
    • ACPI をサポート
    • VRDP をサポート (リモートから rdesktop-vrdp でゲストマシンに接続できる)
    • USB コントローラを有効化
    • USB 2.0 (EHCI) コントローラを有効化
    • CPU は2つ (最初1コアでやったらスキャンがだいぶ遅れることがあったので)
    • VRAM は 64MB (デフォルトでは足りなかったので適当に増やした)
  • Win8.vdi という 40GB のディスクイメージを作成
  • Win8sata1 という仮想 SATA コントローラを作成
    • これに Win8.vdi と Windows 8 のインストールディスクを繋げる

というもの。EHCI コントローラを有効にし忘れると、iX500 を接続したのになぜか認識されないということになる。

そして

% VBoxHeadless --startvm Win8

で起動できる。 クライアントからは

% rdesktop-vrdp $REMOTE_IP

で接続できるので、Windows 8 のインストール作業を行う。VirtualBox Guest Additions もインストールしておく。

USB デバイスをゲストマシンに認識させるには、さらに USB デバイスフィルタを設定する必要がある。 まず VirtualBox がちゃんと USB デバイスを認識できてるかどうかを確認する。

% VBoxManage list usbhost
Host USB Devices:

UUID:               0d4dadeb-a48e-4be1-a412-b79b28f1c917
VendorId:           0x04c5 (04C5)
ProductId:          0x132b (132B)
Revision:           1.0 (0100)
Port:               5
USB version/speed:  2/2
Manufacturer:       Fujitsu
Product:            ScanSnap iX500
Address:            sysfs:/sys/devices/pci0000:00/0000:00:1a.0/usb3/3-1/3-1.6//device:/dev/vboxusb/003/006
Current State:      Available

これが表示されないときは、ユーザが vboxusers グループに所属していない可能性がある。 iX500 だけをパスさせるようにするため、vendor id と product id を指定してフィルタを作る。

% VBoxManage usbfilter add 0 --target Win8 --name ScanSnap --vendorid 04C5 --productid 132B

ちなみにこの vendor id と product id は lsusb でも調べられる。

そうしてから Win8 を立ち上げる。すると、usbhost の Current State が Captured に変化するはずである。

% VBoxHeadless --startvm Win8 &
[1] 16562
Oracle VM VirtualBox Headless Interface 4.2.16_OSE
(C) 2008-2013 Oracle Corporation
All rights reserved.

VRDE server is listening on port 3389.

% VBoxManage list usbhost
Host USB Devices:

UUID:               33fd08be-3bab-4280-8545-290ffffe4a8a
VendorId:           0x04c5 (04C5)
ProductId:          0x132b (132B)
Revision:           1.0 (0100)
Port:               5
USB version/speed:  2/2
Manufacturer:       Fujitsu
Product:            ScanSnap iX500
Address:            sysfs:/sys/devices/pci0000:00/0000:00:1a.0/usb3/3-1/3-1.6//device:/dev/vboxusb/003/006
Current State:      Captured

この状態ならゲストマシンから iX500 を認識できているはずなので、iX500 のインストールディスクを VBoxManage storageattach で繋げてインストール作業をすれば使えるようになる。

スキャンしたデータは共有したいので、VirtualBox の共有フォルダ機能を使った。

% VBoxManage sharedfolder add Win8 --name scansnap --hostpath ~/scansnap

ゲストマシンでは \\VBOXSVR\scansnap にスキャンデータを置くようにする。 俺の場合はさらに ~/scansnap をホスト側で NFS で export するようにしている。

こんなかんじで iX500 を使ってますが、それなりに快適です。

参考